こんばんは。渡邊です。
一晩で寝不足になりながら(昨夜ですよ)読み終えてしまった本を、
ここで紹介したいと思います。
Google Earthで世界中を俯瞰できる時代。
そんな時代だからこそ、この本は輝きを増しているように思います。
著者は世界最大の峡谷、チベットのツアンポー峡谷に挑みました。
先人たちが踏破できなかった、空白の5マイルに挑みました。
彼は1度目のチャレンジで空白の5マイルをその目で見ています。
それだけで、歴史的な快挙でしょう。
しかし、僕の心を奪ったのは、2度目の単独行でした。
エピローグにその真髄がありました。
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それでも多くの人はこう問うだろう。なぜ命をかけて、そこまでする必要があるのか、と。(中略)リスクがあるからこそ、冒険という行為の中には、生きている意味を感じさせてくれる瞬間が存在している。あらゆる人間にとっての最大の関心事は、自分は何のために生きているのか、いい人生とは何かという点に収斂される。(中略)いい人生。死が人間にとって最大のリスクなのは、そうした人生の全てを奪ってしまうからだ。その死のリスクを覚悟してわざわざ危険な行為をしている冒険者は、命がすり切れそうなその瞬間の中にこそ生きることの象徴的な意味がある事を嗅ぎ取っている。冒険は生きることの全人類的な意味を説明しうる、極限的に単純化された図式なのではないだろうか。
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自分の目で見る、自分の体で感じる、そして心が震える、
そんな当たり前の感情にどこか餓えている僕たちには、
いや、少なくとも僕には、感動的な本でした。
若い生徒たちに、若い感性で読んでもらいたい1冊です。
著者は北海道芦別市出身。僕とほぼ同年代です(同期かも)。
だから余計に感動したのかもしれません。
借り物の言葉で語るのではなく、
自分の体験に基づいた言葉で語ることの大切さを僕はこの本から学びました。
きっと数年後、また読み返すだろうと思います。