カテゴリ:おすすめ本

ちょうど1年前の2010年の4月30日に、
自分のブログに投稿した記事です。
今思い返しても感銘を受けた本なので、
当時の原文のまま紹介したいと思います。

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表題は昨日買った本の名前である。
「ポアンカレ予想」の証明に成功したペレルマンについての書籍である。
ペレルマンについての本は初めてではない。
別に僕は数学の理解があるわけではないが、
ペレルマンという人物に惹かれてしまう。

なぜ、彼は数学史上有数の難題を解けたのか。
なぜ、その後の彼は数学界はおろか世間との接点をも絶ったのか。
なぜ、彼はフィールズ賞と、クレイ研究所からの100万ドルの賞金を固持したのか。

そして、彼は今、何をしているのか。

数学というエレガントな世界に魅せられた青年が、
数学界に醜さしか見いだせなかったとき、
彼はその世界に失望したのかも知れない。

自分の理想を求めて飛び込んだ世界と、その世界の現実とのギャップ。
心ない発言をする人々。
真に純粋で美しいものを追い求める人間は、世間から隔離された状態で、
その対象にのみに心を向けるしかないのかもしれない。
そんなことを思いながら読み続け、読み終わったら外は明るくなっていた。
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Perfect Rigorという表題が、ペレルマンの生き様を表している気がします。
彼は「証明の正確さ」と「証明の美しさ」にこだわったのではないでしょうか。
「証明したことから得るもの」はきっと彼の頭にはなかったのです。
真摯に、ただ真っ直ぐに未知の世界と向き合ったのでしょう。
彼の証明はあまりに簡潔すぎて、
専門家の検証にも膨大な時間がかかったといいいます。
その事実に僕は、簡潔であることの美しさを感じます。

「自然という書物は数学の言葉で書かれている。」

自然は美しい。
自然を唯一説明できる数学は、やはりエレガントなのでしょうね。
そしてその世界に人生を捧げた人たちは、
エレガントな世界をひたすらに追求するのでしょう。
僕には本質は理解出来ない、だけど掛け値なしに素晴らしい生き方だと思いました。


MASTER KEATON

2011. 04. 07

表題の漫画をご存じですか?
知る人ぞ知る、名作です。
僕がこれまで読んできた漫画の中でも,間違いなくベスト3に入ります。

僕は小6か中1の時にこの作品を知って、夢中になりました。
それ以降、勉強することが義務ではなく、自発的になった気がします。
勉強することが、自分の知的好奇心に素直であることが、
かっこ悪いことではないと分かったのです。

「人間はどこでも学ぶことができる。学びたいという心さえあれば。」

キートンの恩師の言葉です。
彼は第一次大戦の空襲のさなかでも大学の講義を行ったという伝説の人物。
学生結婚をして子供が生まれ、学問に時間を割けないキートンに、
深夜でも勉強が出来るように図書館の鍵を貸してくれた人物。
現実と理想の狭間にいたキートンに、学問の機会を与えてくれた人物でした。

人間の根源的な欲求は知りたいという欲求なんだと、子供ながらに感じたのを覚えています。
無制限に勉強できることが、どれだけ幸せなことか。
知りたいことがたくさんあることが、どれだけ充実していることか。
僕の学問に対する根本的な考え方は,きっとこの漫画で形成されたのだと思います。

そういえば,シュリーマン著「古代への情熱」もこの漫画で知り,
夢中になって読んだのを覚えています。
いずれまたここで紹介しますね。

ただ残念なのは、
大人の事情(版権云々だったと思う)で、この作品が現在、絶版になっていること。
何てことだ…
我が家にはかつて全巻揃っていましたが、
これも兄と僕が実家を出るどさくさで失われてしまいました。
調べると中古市場では出回っているようなので,近々買い揃えたいと思っています。


新高3生のS君が勧めてくれた本。
シリーズ4巻まで読みましたが、先日、5巻目が出ました。
さっそくS君がメールで教えてくれました。

主人公の澪(みお)は天才料理人。
8歳の時に災害で両親を亡くしました。
料理を通して人を幸せにしたい、それが自分の生きる道だと信じて、
幾多の困難に直面しながらも、周囲の人々の愛情に支えられ、成長していきます。
親切だとか、優しさだとか、思い遣りだとか、
そういった言葉では表現しきれない登場人物たちの温かい気持ちに心が熱くなります。
そして、澪の純粋な気持ちに心が洗われます。

小松原が澪に言ったこの言葉が好きです。
「あれこれと考え出せば、道は枝分かれする一方だ。良いか、道はひとつきり。」
同感です。

ページをめくる手が止まらなくて、2日で4巻読んでしまいました。
生徒たちはもちろんのこと、ぜひ保護者のみなさんにも読んでいただきたい。
現代の僕たちが忘れかけている「つながり」を思い出させてくれる作品です。

あっ、読んでいるとお腹が空きますので、気を付けてくださいね(笑)
巻末にレシピも付いていますよ。


こんばんは。渡邊です。
一晩で寝不足になりながら(昨夜ですよ)読み終えてしまった本を、
ここで紹介したいと思います。

Google Earthで世界中を俯瞰できる時代。
そんな時代だからこそ、この本は輝きを増しているように思います。

著者は世界最大の峡谷、チベットのツアンポー峡谷に挑みました。
先人たちが踏破できなかった、空白の5マイルに挑みました。
彼は1度目のチャレンジで空白の5マイルをその目で見ています。
それだけで、歴史的な快挙でしょう。
しかし、僕の心を奪ったのは、2度目の単独行でした。

エピローグにその真髄がありました。

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それでも多くの人はこう問うだろう。なぜ命をかけて、そこまでする必要があるのか、と。(中略)リスクがあるからこそ、冒険という行為の中には、生きている意味を感じさせてくれる瞬間が存在している。あらゆる人間にとっての最大の関心事は、自分は何のために生きているのか、いい人生とは何かという点に収斂される。(中略)いい人生。死が人間にとって最大のリスクなのは、そうした人生の全てを奪ってしまうからだ。その死のリスクを覚悟してわざわざ危険な行為をしている冒険者は、命がすり切れそうなその瞬間の中にこそ生きることの象徴的な意味がある事を嗅ぎ取っている。冒険は生きることの全人類的な意味を説明しうる、極限的に単純化された図式なのではないだろうか。
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自分の目で見る、自分の体で感じる、そして心が震える、
そんな当たり前の感情にどこか餓えている僕たちには、
いや、少なくとも僕には、感動的な本でした。
若い生徒たちに、若い感性で読んでもらいたい1冊です。
著者は北海道芦別市出身。僕とほぼ同年代です(同期かも)。
だから余計に感動したのかもしれません。

借り物の言葉で語るのではなく、
自分の体験に基づいた言葉で語ることの大切さを僕はこの本から学びました。
きっと数年後、また読み返すだろうと思います。